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12/16 寒菊 「けなげ」

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12/16 寒菊 「けなげ」
LOVE SO LIFE 政二×詩春


『最後まで、お手伝いベビーシッターさせて下さい』

 泣きそうな顔から一転、決意の顔に変わった詩春が、一瞬とても強く見えて、そして……今にも壊れてしまいそうにも見えた。
 こんな風に、引き離すようになってしまうのは、自分の見通しの甘さと力量不足のせいだと解っている。だからこそ、茜と葵が幸せになるためのお別れだと告げる彼女を、健気だと思った。
 そして、そんな彼女が愛おしくなる……。

「せーたん、みてー」
「ん? どした?」
「しはるたんがかわいくしてくれた~!」

 見れば茜の髪の一房が三つ編みになっていて、それは細いピンクのリボンで飾られている。

「かわいい?」
「うん、可愛い可愛い」

 三つ編みを崩さないように頭を撫でると、茜の背後から詩春が現れた。

「昔、私が使ってたリボンなんです。さすがにこの歳でリボンは出来ませんから……」
「そうかな? 似合うと思うけど」
「途端に子供っぽくなっちゃうんですよ」

 くすくす、と笑う詩春は、懐かしげに茜の髪に結わえたリボンを眺めている。

「しはるたん、これどーやるのー?」
「ん~。もうちょっと、手が大きくならないと無理かなー?」

 折り紙さえまともに折れず、破いてしまう小さな指では、確かに三つ編みなど出来ないだろう。

「おっきくなったらできる?」
「うん!」
「はやくおっきくなぁれ~」

 と、指を引っ張る茜。それを見る詩春の表情がわずかに陰った事に気づいて、政二は思わず手を伸ばして、彼女の髪を撫でた。

「え……」

 双子との別れが来るまで、あと数ヶ月。茜の手が、自分で髪を結えるようになるのはもっとずっと先の話。
 出来ない約束に、切なくなってしまったのだろう。

「……ごめん」
「いいえ……っ、松永さんが謝らないでください。私は、大丈夫です!」

 そう言って、また彼女は笑う。辛さも悲しみも、すべて笑顔の下に押し隠して。

「松永、さ……?」
「……あ」

 髪を撫でていただけのはずだった手が、白い頬を辿り、肩に辿り着こうとしていた。それに気付いて、手は離したものの、視線はお互いに外すことはなく。

「しはるたん?」
「せーたん?」

 それが壊されたのは、下からじーっと見上げて来る茜と葵の視線に気付いた時だった。

「きゃ!?」
「うわっ!?」

 慌てて互いの身を離し、ごまかすように咳ばらいをして、詩春も政二もしばし挙動不審だった。


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