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12/14 クリスマスパレード 「孤独」

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拍手SSの再掲です。

12/14 クリスマスパレード 「孤独」
黄昏色の詠使い カインツ×イブマリー



 孤独でいいと、ずっと思っていた。異端の色を目指す自分は、この世界にでも異質なものだから。
 けれどあの日、あの時。カインツと約束を交わした瞬間、異質なのは自分だけではない事を知ったから────。
 黄昏に染まる教室の中、何気なく口にしたイブマリーの言葉に、カインツは笑った。

「イブマリーは最初から、『孤独でいい』なんて顔、してなかったよ?」

 気づいてなかったの? と問い掛けて来る彼に、イブマリーは無表情のまま首を傾げる。

「そんな風に思ってたら、そもそも夜色名詠なんて考えないだろう?」

 何かを遺したかった。この世界に。既存の5色以外の色を。それがどうして、『孤独』ではないということになるのだろう?

「キミが本当に、いつか夜色名詠を作り出して、そしてそれが誰かに詠われるなら。イブマリーという存在が、確かに在った証になる」

 それは、孤独とは対極なものじゃないか? と、肩を竦めたカインツの瞳は、真っ直ぐにイブマリーを見つめていた。それが何故か恥ずかしくて、イブマリーはさりげなく視線を外す。

「……そんな風に思ったことは、なかったわ」
「相変わらずだね、キミは」

 くすくす、と笑うカインツの表情がちょっとだけ癪だった。何だかイブマリーの全てが見透かされている気がして。

「一人になんかしないよ?」
「カインツ?」
「ボクがキミのそばにいる。それならキミは、『孤独ひとり』じゃないよね?」

 二人でいれば、『孤独ひとり』にはならない。カインツも、イブマリーも、普通は望まぬものを夢見て、そしていつか、形にするのだろう。

「それでも、ここを卒業したら、離れ離れよ?」

 少しだけ微笑んで、いたずら顔でイブマリーがそう告げると、カインツは一瞬だけ苦い顔をした。

「意地悪だね、キミは」
「本当の事じゃない」
「でも、きっとボク達は────」

 心の中で、互いを想うだろう。今は言葉に出せない、言葉にさえならない淡い想いを、胸に抱き続ける限り。


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