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12/11 バラ<白> 「私はあなたに相応しい」

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拍手SSの再掲です。

12/11 バラ<白> 「私はあなたに相応しい」
※クジラの彼 冬原×聡子



 


「聡子が白い薔薇なんて珍しいね?」
「あ……」

 久々に会った恋人を部屋に招き入れ、コーヒーを入れている間に、彼の視線はチェストの上に飾った花瓶に向いていた。

「それね、こないだ間違えて注文しちゃったの」
「間違えた?」
「うん。退職される方がいて、ネットで注文したんだけど……ピンクの薔薇じゃなくて白薔薇の方にしちゃって」

 送別会は会社が休みの日だったから、自宅に郵送するようにしていたのがせめてもの救いだった。会場に着く前に、花屋で希望した通りの花束を買っていくことが出来たから。もしも会社に届くようにしていたら、花束を贈ることは出来なかっただろう。

「疲れてた? 聡子がそんなミスするなんて」
「そりゃ疲れますとも。嫌な上司がいますからね~」

 聡子が誰の事を言っているのか気づいた冬原は、なるほど、と喉の奥で笑った。元ストーカー予備軍の社長子息だ。

「花言葉で贈るなら、白薔薇でも良かったんだけど……その人、白よりピンクとかオレンジのが好きだったから」
「花言葉?」
「白薔薇は『尊敬』なのよ。もう一つは『私はあなたに相応しい』だったかな?」
「へえ……」

 感心したように花瓶に飾られた花を眺めていた冬原の指先が、一輪の白薔薇をそっと抜き取った。

「ハル?」
「はい、聡子」
「え……」
「二つの花言葉の意味を込めて」
「……もう、なに気障な事してるのよ」

 そう苦笑しながらも、聡子は彼の手から白薔薇を受け取り、そっと彼の胸に額を寄せれば、優しく抱きしめてくれる腕。

「だって俺、聡子の事尊敬してるし。それに、……俺以外に聡子に相応しい奴がいるなんて考えたくないよ」

 文句も言わず、長い時間を一人で待っていてくれるその強さを尊敬している。そんな聡子の隣を、自分以外の誰にも譲る気はない。

「聡子の隣は、俺じゃなきゃ嫌だ」
「……うん。あたしもハルの隣がいい」

 自衛隊という職業柄、何か有事の際にはきっと彼は命を賭ける。だけど、出来るなら。ずっとずっと、聡子の隣で笑っていて欲しいと思う。
 どちらからともなく重なった唇が、想いを伝えてくれる。

『待っててくれる?』
『ちゃんと、待ってる』

 キスの後、額をコツンとぶつけて、二人はくすぐったそうに笑い合った。


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