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12/10 シクラメン<赤> 「嫉妬」

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拍手SSの再掲です。

12/10 シクラメン<赤> 「嫉妬」
※明るき陽の光を 幼馴染み三人組


「明人くんっ」

 たくさんの人で賑わう文化祭。学校の中では有り得ないはずの幼い声に名を呼ばれ、明人はきょろきょろと視線を巡らせる。きゅ、と制服の裾を握られて、ようやく声の所在が解った。

「透子!? 何でここに……っ」
「泪ちゃんが連れてきてくれた。泪ちゃんはお友達とお話ししてるよ」
「……連れてきたなら目ぇ離すなよな、あの馬鹿……」

 明人に泪花に対する不穏さを感じ取ったのか、見上げてくる顔は、少しだけ不安げだ。明人はそんな透子を一気に抱き上げて、「怒ってないから大丈夫だよ」と笑った。

「うわっ、明人が幼女誘拐してるっ!」
「きゃーっ、可愛いっ!! 笹野くん、その子どうしたのー?」
「だーっ、黙れお前ら、いっぺんに物言うなっ。透子が怖がる!」

 視界が高くなった事で注目を浴びる羽目になったのか、次から次へと明人のクラスメイトが集まってくる。透子は極端な人見知りではないけれど、突然注目を浴びてしまって驚いたのか、小さな体が僅かに強張った。

「妹か?」
「まぁ、似たようなもんかな。もう一人の妹は可愛くないけどな」
「そんな事言うと、私一人で透子を連れて回っちゃうわよ、明人くん?」
「馬鹿、お前ら二人だと暴走しかねないだろうがっ」

 友達との会話を終えた泪花と明人が、二人で仲良く会話をしていると、透子がくいくいと明人のシャツを引っ張った。

「明人くん、お当番終わった?」

 こて、と小首を傾げる透子に、それを間近で見た明人も、泪花も途端に相好を崩した。

「うん、もうすぐ終わるよ。一緒に見て回るか?」
「私も透子もお昼まだなのよ、だから明人くんの奢りね♪」
「……お前の分は出してやらん」
「えーっ、可愛い透子をここまで連れてきてあげたのにー」
「お前な……。悪い、先に休憩貰う……って、何だよその顔?」

 後半の言葉はクラスメイトに向かって告げたのだが、揃いも揃って明人達に注目していた人間の顔が苦笑いに変わっている。

「いやー、何か……嫉妬しそう」
「は?」
「何でもない。ほら、とっとと行って来いよ」
「おー。よし泪花、行くぞー」
「あっ、待ってよもう!」

 ぺこりと頭を下げた泪花が明人の後を追い、その場に残された明人のクラスメイト達は盛大な溜息をついた。

「笹野くんにあれだけ可愛がられてるあの子達、すっごい羨ましいんだけど……」
「いや、両手に花状態の明人にも嫉妬しそうだよ、俺らは……」

 そんな呟きが漏れていた事を、明人達は知らない。


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