Mirage

オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

12/09 ツワブキ 「困難に負けない」

拍手SS Index
月別一覧(12月)へ 作品別一覧(12月)

拍手SSの再掲です。

12/09 ツワブキ 「困難に負けない」
桜涙 幼馴染み三人組+一海


「……出来ない……」
「降参!」
「絶対無理ーっ!」

 目の前に立ちはだかるは、たくさんの丸い黒と少しの白。そして不敵な笑みを浮かべる従兄にして教師の一海。

「お前ら弱いなぁ」
「お兄ちゃんが強すぎなの!」
「3人がかりでやって勝てないって……」

 藍里は一海に噛み付くように反論し、竜城はがっくりと肩を落とす。朱里は白いベッドの上で苦笑いだ。

「目先の利益に捕われすぎなんだよ」
「悔しい~! お兄ちゃん、もう一回!」

 藍里が意気込んだ時、病室の扉がカラリと開いて、一海の母である京佳がやってきた。

「賑やかね? 何やってるの?」
「オセロ! 一海お兄ちゃん強すぎるのー!」
「……少しは手加減してあげたら、一海?」
「手加減すると藍里が怒るんだよ」

 それでもきっと、手加減はしているのだろう。本当に手加減されているのなら、盤面は既に真っ黒なはずだから。

「だってこっちは三人がかりなんだよー!?」

 なのに何で!? と、藍里が息巻く。

「先生に勝つの、すっげー困難な気がしてきたぞ、俺……」
「そう簡単に勝たせてたまるか」

 余裕の笑顔でしゃあしゃあと言って退ける一海。藍里がたまたま持ち込んだ、朱里の暇つぶしの為のゲームだったはずなのに、いつの間にか白熱していることに朱里は小さく笑った。

「藍里って……負けず嫌いなの?」
「まぁ、何にでも立ち向かっては行くな」

 今まで遠ざかっていた双子の妹の一面に、朱里は多少驚いた。

「困難だと解っててもやるのは、姉妹揃って一緒か」
「揃って、って、私も?」

「自覚無しかよ……。じゃなかったら、お前は病室ここにいないだろ」

 こつん、と竜城の拳が朱里の頭を小突く。

「私は、……藍里を助ける事しか、考えてなかっただけよ……」

 自分の命一つで、何もかもが良い方向へ向かうなら。そう、思っていた。

「けど、助けられないとは思わなかっただろ?」
「それは、……そうだけど」

 何が何でも助けるつもりだった。朱里さえいなければ、沢山の明るい未来が待つ妹だったから。

「朱里ちゃん、竜城ちゃんも! もう一回やろー!」

 次こそお兄ちゃんに勝つんだから! と笑う藍里。それを呆れ気味に苦笑して見ている竜城。

(……守れて、良かった)

 自分が生き残ることは想定外だったけれど、二人が生きていることが、今の朱里にとっては何物にも変えがたい希望そのものだった。


桜涙 目次

拍手SS Index
月別一覧(12月)へ 作品別一覧(12月)
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

琳架

Author:琳架

web拍手 by FC2

 ↑ 9/1変更 (全6種)
 桜涙・雨弓・明陽
 図書戦・LOVE SO LIFE・ヨナ
  ※携帯版が確認出来ないので、こちらに統合しました。

Twitter・SS専用アカウント→ @sakuraironoyoru

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

最新記事

検索フォーム

月別アーカイブ

西暦をクリックして下さい。

カウンター

FC2ブログランキング

ランキングに参加しています。

FC2Blog Ranking

右サイドメニュー

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。