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12/05 磯寒菊 「知恵」

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拍手SSの再掲です。

12/05 磯寒菊 「知恵」
LOVE SO LIFE 松永家+詩春




「しはるたん、できない~」
「せーたん~」

 目の前にあるパズルから手を離し、双子は早々に音を上げた。

「はは、やっぱ難しかったか?」
「ん~。あ、でも葵くん、ここをこうしたら……ほら!」
「あー! できた!」
「よく出来ました~!」

 詩春が葵の頭を撫でてあげると、それを見た茜がぷくっと頬を膨らませた。

「あおくんずるい! あかねもー!」
「茜はこれとこれ、移動してごらん」

 4人で夢中になっているのは、昔政二とその兄がはまったという、とあるパズルだった。5種類、9個に分かれたピースで指定されたシルエットを作る、というもので、詩春も幼い頃に遊んだ記憶がある。

「あ! できた! せーたんできたー!」
「ん、偉い偉い」

 大きな手で頭を撫でられた茜は、えへへ~と満面の笑みを咲かせた。

「しかしミニチュアの乗り物といい、このパズルといい……良くこんなの取ってあったなぁ、この家に。……まぁ、捨てるのが面倒だったんだろうけど」

 松永家はずっと親が不仲だと言っていた。知らなかった頃なら、「思い出の品だから取っておいたんじゃないですか?」とでも言えたけれど、知っている今はそんな事は口に出せない。

「でも今は、茜ちゃんと葵くんの玩具になってますし」
「そうだね。少しはこれで知恵がつくかな。……下手につくと行動に伴うから、目が放せなくなるけどね……」
「あははっ、そうですね」

 知恵がつけば、それだけ双子の世界は広がっていく。言葉もどんどん達者になっていくし、いい言葉も悪い言葉も覚えていく。
 そういえば、と詩春は唐突に思い出した。

「こないだ茜ちゃんが『不倫』の言葉を出した時はびっくりしました……」
「は!?」
「保育所に来てる親御さんの会話を聞いたらしくて……」
「……そ、そっか。言葉の意味も解らずに使っちゃうんだろうなぁ」
「覚えた言葉は使いたくなりますしね」

 かと言って、言っていい言葉と悪い言葉の区別は付けなければならない。

「……こいつらといると、勉強することが多くなるよ、本当に」
「そうやってみんな、親になっていくのよって、保育士の方にも言われました」

 知恵を絞るのは、幼子だけではない。大人である政二も、学生である詩春も、まだまだ知識は乏しいのだと思わされる。

「……言葉、気をつけなくちゃね」
「そうですね」

 せめて双子が、言葉の意味を解って使えるようになるまでは。


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