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12/04 カンガルーポー 「分別」

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拍手SSの再掲です。

12/04 カンガルーポー 「分別」
夜明けの光 フレイル×レサリーア



「……お休みになられないのですか?」

 日が暮れて、夕食も終えて。普段ならばのんびりと読書でもしているはずのフレイルが、今日は机に向かって難しい顔をしているのに気付いたレサリーアは、そっと訊ねた。

「本当に、父も義母も分別のない政をしてくれた……」
 兄の即位直後には解らなかった、たくさんの「膿」とも言うべき常識はずれの法や命令書が、あちこちから発見され、ティルやアーシャも頭を抱え込んでしまった。

「道理に捕われていては、柔軟な対応が出来ぬこともある。それは解っているが、……あまりにも外れすぎているからな」
「……あの方々にとっては、それが道理だったのでしょう……ね」
「はっきり言っていいぞ? レサリーア。自分達の事しか考えない、愚かな父と義母だった、と」

 そう告げて、表向きにはただ苦笑しているようにしか見えぬ裏で、フレイルが泣いているように見えた。

「それでも、あなたにとっては唯一のお父様でらした。そうでしょう?」

 その父を殺すという咎を負ってまで、彼はこの国を救ってくれた。報告書だろう紙を、強く握り締めているその拳を温めるかのように、レサリーアは手を伸ばす。

「人の常識は、人それぞれです。フレイル様はフレイル様の思うまま、進まれませ」
「俺とて、分別があるかどうか怪しいものだぞ? 何しろ父殺しの息子だからな」

 半分とは言え、あの父の血を引いているのだ。その要素がないとは言えない。……暗にそう告げるフレイルに、レサリーアは厳しい瞳を向けた。

「……それでは、ティル様とアーシャ様もそうなる可能性があると?」
「まさか、あの二人は……!」
「フレイル様の仰りようですと、お二人の方がその可能性は高くなります。……ご自分をもう少し、信じてあげて下さい」
「レサリーア……」
「……フレイル様は、お一人ではありませんよ」

 決して一人で全てを背負わせはしない。それはレサリーアがフレイルに「一緒に」と望まれた時から決めていたことだ。

「レサリーアも、いてくれるか?」
「一緒に、と仰って下さる限りは、ずっと」

 冷たくなっていた彼の拳をそっと撫でると、強ばりが解けたかのように指先が開き、レサリーアの指先がそっと持ち上げられる。

「前言撤回は、許可しないからな?」

 そっと指先に口づけられて、レサリーアの頬にパッと朱が散った。


夜明けの光 目次

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