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12/01 シャコバサボテン 「ひとときの美」

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拍手SSの再掲です。

12/01 シャコバサボテン 「ひとときの美」
明るき陽の光を 幼馴染み三人組



 コンコン、とドアをノックする音が聞こえて、ベッドに寝転がっていた明人は「どうぞ?」と言いながらむくりと起き上がる。

「明人くん」
「何だ、泪花か。どした?」
「ほら透子、入っておいで?」

 透子まで一緒とは珍しい。幼なじみとはいえ、昔ほど透子と遊んでやれる時間がなくなっていたから。

「泪ちゃん~……やっぱり変だよ~……」
「変じゃないわよ、可愛いのっ。ほら早くっ」
「泪花、無理強いす……は?」

 嫌がってるなら無理に引っ張り出すなと泪花に告げようとした明人の言葉は、尻切れトンボに終わった。
 泪花に強く腕を引かれ、バランスを崩しながら入ってきたのは、かつて泪花が着ていたのと同じ、中学の制服を着た透子だった。

「可愛いでしょ?」

 来月から通い出す中学の制服が気恥ずかしいのか、透子は俯いたまま、泪花から離れない。

「透子? どした、似合ってるぞ?」
「違うの……顔、変なの……」
「顔?」
「もー、透子ったら。ちょこっとメイクしただけなのに気後れしちゃって」
「って泪花! 透子に化粧はまだ早いっ」
「それは出来栄え見てから言ってよね。透子、見せてあげて?」
「う……ん」

 泪花に促されて、おずおずと透子の顔が上げられる。やがて現れたその表情に、明人は一瞬見とれた。
 淡い桜色の唇は、グロスで艶めき。元々白い肌には薄くファンデーションが塗られ、明人の反応を怖がる瞳を彩る睫毛は綺麗に巻かれて。

「明人くん、ど?」
「……驚いた」
「でしょー? 透子、絶対大人になったら美人になるわよ」

 泪花のその言葉で、明人は10年後の透子の姿を想像して……納得してしまう。

「透子、おいで」

 差し出した手に、透子の小さな手が重なり、明人はその手を包み込むように握った。

「大丈夫、変じゃないよ」
「本当……?」
「ん。可愛いから大丈夫。……だけど、学校にして行ったらダメだからな?」
「えー、可愛いのに」
「だから危ないんだろーがっ」

 こんな可愛い透子なら、絶対注目の的になる。ただでさえ不審人物が多いのだから、用心に越したことはない。

「……過保護な兄バカね、ほんと」
「姉バカのお前に言われたくない」
「明人くんはお兄ちゃんじゃないよ? 泪ちゃんはお姉ちゃんだけど」
「待て透子、その違いはなんだ。幼なじみには変わりないぞ?」
「ん~……何となく?」

 その答えが、透子と過ごす時間が少なくなったせいだと気づいても、大学にバイトにサークルにと忙しい明人には、どうすることも出来なかった。

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