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拍手SS 桜涙 「鏡花水月 その後」

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拍手SSの再掲です。

2012年 10月 携帯用SS
桜涙 幼馴染み三人組


 神社の巫女舞を見て感動している朱里の頭を撫でていると、「あっ!」と遠くから叫び声が聞こえた。

「竜城ちゃん、何で朱里ちゃん泣かせてるの!?」
「俺が泣かしたんじゃねぇよ!」

 荘厳な空気を消すのは憚られて、ようやっと露店の手伝いから解放されたらしい藍里と、竜城は小声で言い争う。

「朱里ちゃん、どうしたの?」

 未だ竜城の肩に顔を伏せている朱里を覗き込むように藍里が訊ねると、朱里は小さく首を横に振った。

「あの、ね。……感動、してたの」
「感動? 巫女舞で?」
「うん……そう」

 今は巫女舞が終わり、剣舞に変わっている舞台を見た藍里は首を傾げた。

「お前にはそんな機能、ついてないもんなー」
「ちょ、竜城ちゃん!? 人をロボットみたいに言わないでよぉっ」

 私だって素直に綺麗だなとは思うんだから! と、唇を尖らせる藍里は、朱里よりもとても幼く見える。

「でもそっか、朱里ちゃん、見たの初めてだもんね」

 竜城と藍里は、子供の頃から何度も見ているから、今更感動などしない。けれど朱里は違う。俗世と切り離されて生活していたようなものだから、その分純粋なのかも知れないと思う。

「で? 露店の手伝いはもういいのか?」
「あ! そうだよ竜城ちゃん酷い! 私の事生贄にしたでしょ、朱里ちゃん口実にして!」
「生贄って……人聞き悪いぞ。いーだろたまには。いつもはお前に独り占めされてんだし」
「当たり前でしょー!」
「……このシスコンめ」

 呆れたように告げると、くすくす、と小さな笑い声による体の震えが、肩から伝わってきた。

「朱里?」
「朱里ちゃん?」
「ごめ、何か、二人とも……子供みたい」

 言い分が、と笑いながら告げる朱里は、その対象が自分であることに気づいているのかいないのか。……恐らくは後者だろうけど。

「ありがとう竜城、もう平気」
「ん」

 髪を撫でていた指を離せば、肩から温もりが離れていく。それが何故か少し、淋しかった。

「で、手伝いは終わったのか?」

 そう、もう一度問い掛けると、「そうだった」と藍里の両手がパンと鳴る。

「あのね、手伝ったお礼に奢ってくれるって。だから呼びに来たの!」
「……今年は焼きそばだったっけ。朱里、食べる?」
「え、でも手伝ったのは藍里で」
「大丈夫だよー! ね、行こ?」

 藍里に右手を、竜城に左手を取られて、 朱里は引かれるままに歩き出した。


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