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拍手SS 夜明けの光 「穏やかな一時」

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拍手SSの再掲です。

2012年 9月 携帯用SS
夜明けの光 フレイル×レサリーア+アーシャ


 よろよろ、ふらり。そんな擬音語が似合う程の足取りで、フレイルが地方視察の公務から帰ってきた。

「フレイル兄様!?」
「ああ……アーシャ……」
「どうなされたんですか!!」

 慌てて駆け寄り、その体を支えると……フレイルの吐く息が、酒気を帯びていることに気がついた。

「大声出すな……頭に響く……」
「……兄様……。二日酔いですか……?」
「二日酔いどころじゃないな……」

 この国を救った勇気ある王子だと、地方を訪ねる度に、連日連夜の宴会という酒盛りが続き、あまり酒に強くないフレイルは、散々酔い醒ましの薬に頼っていた。

「ご帰還の報告は、私がティル兄様にしておきます。フレイル兄様はお部屋で休んでらしてください」
「ああ、すまない……」

 足取り危うく歩く兄の出迎えか、門から出てきたレサリーアが慌てて兄の体を支える。寄り添い歩くその姿に、アーシャは自然と微笑みを零し、王に報告するために謁見の間へと歩きだした。

「お水をお持ちしますか? それとも……」
「いや、いい……。さっき、酔い醒ましを飲んだから」
「でしたら、少し横になられては? 酷い顔色です」
「ああ……ここでいい……」

 ずるずる、引きずられるかのように、フレイルの体はソファに倒れていく。

「お体を痛めます、寝台の方が……」

 レサリーアの声は、途中で途切れた。ソファに横になってしまった瞬間から、フレイルの安らかな寝息が聞こえてきてしまったから。

「……お疲れ様でした」

 フレイルの顔を覗き込むように、ソファの傍らに膝をついたレサリーアは、幼い子供のように眠る彼の額に、そっと口づけを落とした。

「あら、意外と大胆ですね、レサリーア」
「きゃ……っ!? あ、アーシャ様……っ!?」
「しーっ! 兄様が起きてしまうわ」

 はっ、として口をつぐむ。そっと彼の顔を窺うも、フレイルは相変わらずスヤスヤと眠っている。二人は顔を見合わせて、小さくくすくすと笑った。

「兄様ったら、強行軍で帰ってきたりなさるから……」
「何か、重大なご報告でも……?」
「ゾルゲットの話では、特に何も。……貴女が心配だったのだと思うわ」
「私、ですか?」

 問い掛けに、アーシャは淋しげに微笑むだけだった。そしてその笑顔で悟る。王宮は、魔の巣窟だということを。

「それでも、兄様の傍にいてくれますか……?」

 一緒に、と望まれたあの日に決めた。彼の傍で、彼を支えると。だから。

「────はい」

 力強く、頷いた。

夜明けの光 目次

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