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11/23 ペリストロフェ 「不思議」

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11/23 ペリストロフェ 「不思議」
夢界異邦人 凜×紅美


「本当、人の心の造りって複雑よねぇ」
「呑気なこと言ってないで手を動かせ紅美っ!」
「うるっさいわね、やってるわよ!」

 只今、凜と紅美はとある夢界に侵入中だ。ちなみに凜は複数の機械人形を相手に立ち回りを演じ、紅美はその機械人形が守ろうとしている、正面に浮かぶ丸い球体に繋がるはずの制御卓に、思い付く限りのパスワードを打ち込み、核の破壊を試みている。

「大体私、凜に来てくれって言った覚えはないわよ」
「文句を言うなら泣きついてきた剛に言え!」

 先日、解決の糸口が全く見つからない為に、紅美は凜に助力を請うたのだが、呆気なく断られ、自分で何とかするからと意地を張った。助手である剛に、今回は長くなると言っておいたにもかかわらず、心配性の彼は凜に助けを求めたらしい。
 口では言い合いをしながらも、指先は慌ただしくキーを打ち込んでいく。エラーが連続表示されていた画面が、不意に『CONNECT』と表示された。

「オッケー、解除! 凜!」

 正面に浮かんでいた球体の表面が、ぺり、ぺり、と剥がれていく。凜は機械人形達を振りきって、紅美は制御卓から移動して、表面を剥がしにかかる。
 やがて、その球体の中に浮かぶ、幼い顔立ちの少女が、ゆっくりと目を開けた────。

「……仮想現実から戻れなくなった少女、か……」

 夢界から現実へ戻る狭間で、凜は隣に浮かぶ紅美に向かって、何ともなしに呟いた。

「戻して良かったのかしら、本当に」
「戻れなかったら、ずっとあのままだ。……澪みたいに、蟲に食われた訳じゃない」
「そうだけど……」

 原因は、死にたいと思えるほどの執拗ないじめ。女のいじめは体ではなく心にこそ深い痛手を負わせる。体が死を選ぶ前に、心が現実を拒絶し、3年もの間、彼女は眠り続けていた。

「本当に、心って不思議だわ。相反する感情もあれば、一途な感情もある。頑ななのに、どこかで綻びを作ってしまう」
「そう解ってる俺達だから、夢界異邦人をやってられるんだろう」
「……そうね。きゃっ」

 ぶわっ、と空気の流れが一瞬にして強くなる。目覚めが近い合図だ。

「行くぞ」
「ちょ、待ってよ凜!」

 思わず手を伸ばせば、ぐいっ、と力強く体が引き上げられる。そのまま何故か抱き寄せられて、少しだけ彼を意識してしまったのはきっと気の迷いだと、紅美は自分に言い聞かせた。


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