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11/16 アッサムニオイザクラ 「しとやか」

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拍手SSの再掲です。

11/16 アッサムニオイザクラ 「しとやか」
夜明けの光 3兄妹+レサリーア

「アーシャ! こら待ちなさい!」
「おにいさまこわい~! あ、フレイルにいさま!」
「わっ、アーシャ!?」

 庭師に花の名前を教えてもらっていたフレイルの体に、軽い衝撃と回された小さな腕。

「フレイル! そのまま捕まえてくれ!」
「兄上? アーシャ、また何かイタズラしたの?」

 背中にしがみつく異母妹は、「えへへ~」と笑った。綻んでいる口元よりも先に、追いついたティルが呆れた口調で告げる。

「一階とは言え、窓から中庭に飛び降りたんだよ……このお転婆娘は」
「……ちゃんと兄上に怒られなさい、アーシャ」
「えー! フレイルにいさまひどい!」
「無茶するアーシャが悪いんだよ」
「むちゃじゃないもん!」

 そんな無茶をするなんて、この異母妹は一体何を考えているのやら。未だフレイルの背中にしがみつくアーシャと、それを厳しい瞳で見つめるティルの、静かな攻防戦が続く。どちらとも頑固といえば頑固だから、なかなか決着が着かない。
 そんな中に投げ掛けられたのは、鈴のなるような、軽やかな声だった。

「どうなさったんですか?」
「レサリーア!」
「あっ、こら!」

 公爵家の娘であるレサリーアはアーシャの遊び相手であり、姉のような存在だった。当然、アーシャは味方しないフレイルではなく、レサリーアに駆け寄っていく。

「アーシャ様?」
「レサリーア、このお転婆娘に言ってやってくれ」
「はい?」

 かくかくしかじか、ティルが一部始終を話しても、レサリーアはくすくすと笑うだけだった。

「ね、むちゃじゃないでしょ?」

 怒られるようなことはしていない、と胸を張るアーシャに、ティルの怒号が飛びかける。その前に、レサリーアが言葉を紡いだ。

「でもアーシャ様、もしお怪我をなさったら、一番心配されるのは大好きなお兄様方なんですよ?」
「……えと……」
「おしとやかに、とは申しませんけれど、お怪我をなさるようなことだけは、私も心配になってしまいますから」
「レサリーア……」
「ね。お約束、しましょう?」
「うん」

 小指同士が絡まる光景に、ティルもフレイルも、そばにいた庭師も微笑みを深くする。
 しとやか、という言葉は、レサリーアに一番似合っているかもしれないと思いながら。


夜明けの光 目次

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