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11/12 紫式部 「聡明」

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拍手SSの再掲です。

11/12 紫式部 「聡明」
図書館戦争 同期三人組


「これよりこっちの方が」
「え? ああ、そうね。そうするわ。……でもこうなると」
「ああ、こっちの方がやりやすくなる」

 一言二言会話をしただけで、柴崎と手塚は同時に頷く。二人が見ているのは、とある会場の見取り図だ。本の展示をするためのコーナー配置と、警備計画を練っている。たまたま喉が乾いて、共有区画にジュースを買いに来てそれを見ていた郁は、「ん~」と首を傾げた。

「何よ、笠原?」
「いっつも思うんだけどさあ」
「何だ?」
「二人って、会話少ないよね」
「そうか?」

 柴崎とは何だかんだで情報交換をしていたり、世間話もしているから、同期の女子では結構会話をしている方だが。……手塚の意志とは関係なく。

「あ、違う。会話が少ないっていうより……言葉少な? とも違うかな……」
「……何が言いたいんだ、お前?」
「何かこー、一を聞いて十を知る、というか。一言二言だったり、最後まで言わなかったりするのに、良くお互いに理解出来るなーって」

 要するに、頭の回転が速いとか、賢いとか、そういうことを郁は言いたかったのだが、なかなか言葉が出なかった。

「そう言われてもな」
「ねぇ」

 郁のその言葉に、柴崎と手塚は顔を見合わせる。確かに相手の言わんとする事は互いに理解している、と思うけれど。手塚にも柴崎にも、それが当たり前であるから疑問にも思わない。

(二人とも、お似合いだと思うんだけどなー)

 いつだったか郁が毬江に語った条件は、悔しいけれど、手塚なら完璧に満たしている。見かけは弱くても、柴崎の芯は強い。それでも、……脆い。
 お互いの意図を違えずに読み、行動に移せる聡明な二人。手塚は柴崎を守り、柴崎は手塚を支えられる。と、思うのだけれど……。
 当の本人達は懸案事項に戻ってしまって、郁が見つめていることにも気づかない。

(手塚が、柴崎の王子様ならいいのに、ね)

 先に部屋に戻るね、と一応声をかけて、郁は去っていく。その足取りがどこか軽くて、手塚と柴崎は首を傾げた。

「何で楽しげなのかしら、あの子」
「笠原の行動を考えるだけ無駄だと思うが」
「それもそうね」

 聡明な二人でも、郁の軽い足取りの意味までは読めなかったようである。


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