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11/10 ユーチャリス 「清らかな心」

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拍手SSの再掲です。

11/10 ユーチャリス 「清らかな心」
桜涙 竜城×朱里


「お前は~っ! ナンパについてく馬鹿がどこにいる!」
「ナンパ、って……ただ、落としたお財布拾っただけなのに」

 お礼にお茶でも、と連れていかれそうになったのは事実だが、ナンパだなんて朱里の意識には欠片もなかった。

「……無理矢理付いてきて良かったよ……」

 朱里は放っておくと、ふらりと一人で出かけてしまう。退院した直後もそうだったし、今日だってそうだ。
 はぁ、とため息をついた竜城は、徐に彼女の横に並んで歩き出す。

「竜城?」
「少しは人を疑うことを覚えてくれ」
「……疑ってばかりよ、私は。言葉の裏を読んで、勝手に傷ついて」
「その割に信じてるだろ。人を。……俺を」

 意図して世界と隔絶した生活を送っていただけに、良くも悪くも朱里は純粋だ。人と関わることで覚えるはずの感情を、朱里は今まさに培っている。
 けれど、多分人の醜い部分を、きっと竜城よりも知っているのも彼女だ。その醜い部分を見せてきたのは、外ならぬ竜城だから。
 朱里の純粋さは、竜城が過去に目を背けてきた醜い心までも覆い隠した。本来なら清濁併せ持つ人の心を、光へと導くかのように清らかな心で。
 その代わり、朱里の心はどんどん冷えていって、より頑なになって。己の死で藍里の能力を消すことだけが目的になってしまっていたけれど。

「じゃなきゃ、あんだけ酷い事を言った俺の言葉、普通は素直に聞かないだろ」
「だってあの時の竜城の心……、嘘なんかなかったもの」

 目が覚めて抱きしめられた時に読んだ竜城の心。嘘のない、真実の心に触れたから。

「解らないぞ? 俺だって、またいつかお前に嘘を付くようになるかもしれないし」
「でも、竜城の事は……信じて、いたいから」

 いつか裏切られるならそれでもいい。竜城が嘘を言うようになってしまったならそれはきっと、朱里が原因だと思うから。
 おどける竜城の言葉に、真剣に返す朱里の言葉。見上げて来るその視線は揺らぐことなく。

「……やっぱお前を一人で歩かせるのは危険だ……」

 素直なのも純粋なのもいいとは思うけれど。このままだと少し危うい気がする竜城だった。


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