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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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10/28 野紺菊 「守護」

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拍手SSの再掲です。

10/28 野紺菊 「守護」
MIRAGE アリーナ×ランディル


「我、この身を賭して……」

 専属護衛としての誓約文を口にした時、目の前に立つアリーナの瞳が、少しだけ淋しそうだったのを覚えている。

*****

 ランディルがアリーナの専属護衛となったのは、今から2年前の事。17歳のランディルと、16歳のアリーナ。王族は、16を迎えると同時に自らの専属護衛を指名する権利と義務がある。
 血が繋がらないとはいえ、従兄妹として長い時を過ごしてきた二人は、当然のようにその立場を指名し、受け入れた。
 変わったのは、ただ一つ。アリーナに対する、ランディルの言葉遣いだ。

「アリーナ様! どちらへ行かれてたんですか!」
「ふふ、秘密よ」
「……護衛の目をかい潜るのも大概にしてください、アリーナ様」
「あなたが私を、様を付けずに呼んでくれたら教えてあげる。……昔のように」

 二人の間に秘密などなかったあの頃のように。守護の対象ではなく、対等な人間として。

 専属護衛を指名するのが王族の権利とは言え、アリーナは、今では少し後悔していた。
 ランディルに守ってもらうのは嬉しい。こうして城を抜け出す度に叱られることも、心配の表れなのを知っているから。
 だけど、それと同時に対等ではなくなってしまった事を、淋しいと思うようになってしまったのだ。

「……そう出来ないことはお分かりでしょう」
「なら教えてあげない」
「……全く、強かになったというか何というか……」
「あらだって、そうじゃないとあなたは、いつまで経っても私を子供扱いなんだもの」
「……子供みたいなものです。手に傷なんて作って……一体どこで何をしてきたんだか」

 持ち上げられた右手には、確かに小さな傷がある。出掛けていたのは町の花屋で、バラのとげに触れてしまった時の傷だ。

(こんな小さい傷なのに、そういう所だけ目敏いんだから)

「手当てしましょう」
「え、大丈夫よこんな傷ぐらい自分で」

 治せる、と言おうとした途端、「アリーナ」と強く名前を呼ばれた。
 その響きが、とても懐かしい。

「お転婆も大概にして下さい」
「……はぁい」

 守護する騎士と、守護される王女。その関係はまだまだ続く。

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