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10/24 クロッサンドラ 「虚飾」

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10/24 クロッサンドラ 「虚飾」
桜涙 仁科家(知佳視点)


 虚飾。実質の伴わない、うわべだけの飾り。

 たまたま見たクイズ番組でその言葉と意味を耳にした知佳は、ふと苦笑した。まるで、少し前までの我が家のようだと。
 朱里をいないものとして扱っていたのに、外では双子の母親として振る舞っていた。仲のいい家庭を演じて、だけどどこか欠けている、いびつな家庭を築いてきた。けれど、今は……。

「持って行ってもいいですか?」

 食後のお茶にとコーヒーをいれていた知佳の元に、今までかけられた事のない言葉が聞こえた。

「ええ、ありがとう朱里」

 藍里はテレビ番組に夢中で、手伝う気は皆無だ。未だ遠慮が抜けきらないのか、母親である知佳に対しても敬語を使う朱里に笑ってみせると、今まで突き放してきたもう一人の娘も、ぎこちなく口の端を上げた。
 朱里がコーヒーを乗せたトレイを、知佳が食後にと作ったチョコムースを乗せたトレイを持ってリビングに戻れば、二択問題を前にして、悩む藍里と夫がいる。

「ねーねー朱里ちゃんっ、あれどっち?」
「えっと……B? かな?」
「いや、あれはAだ」

 正解は、と司会者が効果音と共に叫ぶ。Bです! の言葉に、藍里がはしゃぐ。

「朱里ちゃん当たり! お父さん外れー♪」
「おかしいな?」

 京佳と一海が帰ってこなければ、現実を突き付けられなければ、きっと見ることのなかったであろう光景。
 もう、虚飾なんかじゃない。誰にも見栄を張る必要なんかない。
 これからは、このままの家族を……ありのままの家庭を、築いていければいい。

 藍里の隣で、腕を取られたままの朱里を見つめて、知佳はそっと微笑んだ。


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