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10/14 ストレプトカーパス 「囁きに耳を傾けて」

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拍手SSの再掲です。

10/14 ストレプトカーパス 「囁きに耳を傾けて」
雨の弓 レイン×ユミ+コーリ


 ユミの訓練の最中に、突如降り出した雨。慌てて大きな木の下に避難して、レイン達三人は、何とは無しに雨の音を聞いていた。
 生い茂った葉から滴り落ちる雫の音。さああ、と流れる雨の音。
 突然、くすっ、とユミが笑った。

「ユミ? 何いきなり笑ってんだよ」

 小さな頭が寄り添う肩を揺らして訊ねたレインに、目を閉じたままユミが答える。

「雨の音って、好きだなぁって」
「あら、どうして?」
「何だか、生きていていいんだよって言われてるみたいだったんです」

 生前、目が見えなかったユミ────ひかりが頼れるのは、視覚以外の感覚だけだった。

「……ううん、雨の音が聞こえてる間は、私が生きていることを実感出来たから、だと思います」

 まだ生きているよ、と囁かれているようで。外に出ておいで、と、家の中にこもりがちな空気を、すべて洗い流してあげるから、と言われているようで。

「……だから、雪は嫌いでした。すべての音を吸い取ってしまうから」
「そうね、雪は本当に静かに降るものね」
「昔は雪も好きだったのにな、お前」
「目が見えなくなってからは怖かったのよ? それにね、もう一つあるのよ。雨が好きな理由」

 何だよ? と訊ねて来るレインの瞳を見上げて、ユミはにっこりと笑ってみせた。

「雨が落ちる音はレインを……雫を思い出させてくれたから」
「……ひかり……」

 かつての名前を呼ばれたレインは、同じようにかつての彼女の名前を呼び返し、長い腕で華奢な体を抱き寄せる。

「……結局惚気に繋がるのね、あんた達……」

 呆れたように呟いたコーリの声は、果たして二人に届くか否か。


雨の弓・明るき陽の光を 目次

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