Mirage

オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

Entries

10/13 リーガースベコニア 「親切」

拍手SS Index
月別一覧(10月)へ 作品別一覧(10月)

拍手SSの再掲です。

10/13 リーガースベコニア 「親切」
雨の弓 雫(レイン)×ひかり(ユミ)+透菜


「うーん、無いねぇ」
「まさか川に落ちたとか……わっ、冗談だからそんな泣きそうな顔するなよ」
「もー、ダメでしょ雫。小さい子不安にさせちゃ」

 ひかりが近寄り、少女の頭をよしよしと撫でる。透菜ゆきなは零れ落ちそうな涙を押し止めて、懸命に地面を睨む。
 彼等が探しているのは、腕時計。透菜の母親が大事にしていたもので、「大きくなったら、これは透菜にあげるわね」としまいこんだものだった。
 しかし、透菜はその未来が待ち切れず、こっそり持ち出して学校へ行き、友達に自慢げに話した。そして嫉妬にかられた一人の少女が腕時計を奪い、遠くに投げてしまったのだという。
 そしてそれを必死に探している透菜の姿を見た雫とひかりは、捜索に協力しているのだった。

「せめてどこら辺に落ちたか解ればな……」
「そろそろ日も暮れて来ちゃうし、早く見つけないと」

 背丈の長い草に埋もれたであろう腕時計は、なかなか見つからない。
 太陽はどんどん落ちて行き、辺りは徐々に暗くなっていく。懐中電灯も無い中で、これ以上探すのは無理だと雫が告げようとした瞬間。
 街灯がぱっ、と光を放ち、その真下で何かが光を反射したように見えた。
 歩を進め、しゃがみ込み。雫はニッ、と口端をあげた。

「透菜! これか?」

 街灯の下、透菜に見えるように高く掲げる。と、透菜は転げるように駆けてきて、雫の手を小さな両手で包み込む。

「あった……あったよ、おねえちゃん! ありがとう、おにいちゃん! ……え」

 渡してくれるものと思っていたのだろう。雫が腕時計を放さない事を訝む透菜。

「……今のお前には、大人すぎるよ」

 見つけた腕時計は、華奢な作りで、文字盤は小さく丸い。秒針がカチカチと時を刻み、12時の下にはおそらく本物の、小さなダイヤモンドが埋め込まれていた。

「見せびらかしたい気持ちは解るけどな。急がなくても、いつかきっと、これが似合う大人になれるから」
「それまでは、ちゃんとしまって置いてあげよう?」
「……はい」

 雫とひかりの言葉が、全部伝わったかは解らないけれど、少なくとも透菜自身、悪いことをしたという自覚はあるようだ。素直に頷く透菜の小さな頭を、雫とひかりはそっと撫でた。

雨の弓・明るき陽の光を 目次

拍手SS Index
月別一覧(10月)へ 作品別一覧(10月)
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

琳架

Author:琳架

web拍手 by FC2

 ↑ 9/1変更 (全6種)
 桜涙・雨弓・明陽
 図書戦・LOVE SO LIFE・ヨナ
  ※携帯版が確認出来ないので、こちらに統合しました。

Twitter・SS専用アカウント→ @sakuraironoyoru

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最新記事

検索フォーム

月別アーカイブ

西暦をクリックして下さい。

カウンター

FC2ブログランキング

ランキングに参加しています。

FC2Blog Ranking

右サイドメニュー

QRコード

QR