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10/10 金木犀 「気高い人」

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拍手SSの再掲です。

10/10 金木犀 「気高い人」
暁のヨナ キジャ ※惚れ薬を飲んだ後


『キジャ』

 柔らかな声が、甘く名を呼ぶ。

 そう感じるのは彼女が四龍の主────ひいては白龍である己の主だからなのか。
 ヨナ自身、主であることを否定してはいるけれど、キジャは出会った瞬間に洗礼を受けた。白龍として主を守れと。決して裏切らず、傍に仕えよと。
 その洗礼を受けたことこそが、彼女が主たる証。そう信じて疑わずに来た。

 各地に散る白龍一族の者から聞いていた、王族として過ごしていたヨナの姿と、今、共に旅をしているヨナの姿はあまりにも違う。
 城にいた頃のヨナは、王に守られた純真無垢な姫。外界を何も知らず、ただ城の中で穏やかに過ごしていた。けれど今は……。
 時折、気高く、揺るぎない意志を見せるヨナに……キジャは恐らく、惹かれている。

 けれどそれは、恋愛感情などではない。決して。

(仕える者として、あってはならぬ感情ものだ)

 触れたいと思うのも、抱きしめたいと思うのも。それは全て、彼女の気高さ故に。
 傷つくと解っていても触れたくなる、薔薇の棘のよう。

「……姫様……」

 目の前を歩く彼女に手を伸ばす。けれどその姿は、幻のように掻き消えた。

(触れてはならぬ、か……)

 これは夢の啓示。守るべき主に、邪念を抱くなと……。
 触れることさえ叶わなかった龍の腕を、キジャはそっと握りしめた。



「キジャ? 大丈夫?」
「姫様……」

 目を開けたキジャが見たのは、心配そうな顔で自分を覗き込む主の姿だった。

「良かった、なかなか目を覚まさないから心配しちゃったわ」

 そう、ホッとした顔で笑うヨナが、眩しい。

(この身ある限り、私は姫様のお側でお守りします)

 ヨナがヨナとして、その身に纏う気高き光を失わぬように、全身全霊を以って。

 そして徐々に意識がはっきりしたキジャが、惚れ薬を飲んでヨナを抱き寄せたことを思い出し、思いっきり土下座をしたのは数秒後のことだった。

暁のヨナ 目次

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