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10/01 友禅菊 「元気で」 

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拍手SSの再掲です。

10/01 友禅菊 「元気で」
暁のヨナ スウォン ※7巻 ヨナとの再会、そして別れ

「……さよなら。ヨナ」

 ヨナの頬を片手で撫でた後、彼女に背を向けて立ち去ったスウォンは、もう充分ヨナから離れたと思える距離まで来て、そっと外壁に背中を預けた。

(ヨナ……)

 ジュド将軍から隠す為に抱きしめた、小さな丸い肩が震えていた。
 彼女は何も言わなかった。……言えなかった、のかも知れない。父の仇である自分が突然目の前に現れたのだ、それも当然だろう。驚きに見開かれた瞳で、スウォンを見ていた。
 けれど……驚いたのは自分も同じだ。

(もう二度と、見られないと思っていた……)

 生きていた。死んだと思っていた、彼女が。
 ヨナとハクは、スウォンにとって、幸せだった時間の象徴とでもいうべき存在だ。その存在を、二人一度に亡くしたと聞いて、表面上はどんなに取り繕っていても、心の中では平静ではいられなかった。……いられるはずがなかった。
 その二人が(ハクの姿は無かったけれど)生きていて、くれたのだ。

「良かった……」

 心から、そう思った。カン・テジュンに渡された、遺髪となったヨナの赤い一房を片手に握りしめた時の胸に込み上げた想いが、透き通った青空のように晴れていく。

 イル陛下を殺したことを後悔などしていない。何を犠牲にしてでも、自分にはやらねばならないことがある。

「どうか、元気で」

 ヨナを見逃せば、いつかは我が身に罰が下りるであろう事も理解している。それでも。

(ハク……ヨナを、守ってくださいね)

 城からも、火の部族からも、この自分からも。逃げて、逃げ続けて……ただ、生きていて欲しいと────願う。


暁のヨナ 目次

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