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オリジナル・二次創作小説や、好きな本の感想を綴るブログです。

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LOVE SO LIFE 白詰草の花冠

LOVE SO LIFE 目次 二次創作Index

斎さまのリクエスト、『LOVE SO LIFEで松永さんと詩春が無自覚でイチャイチャ』です。
では、続きからどうぞ~。



「それ行けー!」
「わーっ!」

 緑の芝生の上を、真菜と梨生を乗せた赤いソリが滑り降りる。それを追いかけるように茜と葵が走り出し、下から見ていた政二が慌てて叫んだ。

「こらお前らっ! 駆け下りるな、転ぶっ……!」

 忠告は間に合わず、茜と葵の小さな足は、あっという間に緑の地面を踏む事を忘れて、その小さな体を転ばせた。普段ならば転んだ事にびっくりして泣き出しかねない子供達だが、一面に植えられた芝生のおかげで、そう痛くもなかったらしい。

「「きゃあー!」」

 楽しそうに叫びながら、子供達はコロコロと下まで転がって来る。

「……芝と土だらけになるな、服が」
「ふふっ。ですね、でも着替えはありますから大丈夫ですよ?」

 さすがにそう何枚もはありませんが、と詩春が隣に座る政二を見上げると、彼は感心したように笑った。

「……ホントに中村さんがいてくれて助かるよ」

 そう言われる事が本当に嬉しくて、詩春も柔らかく笑い返した。




 小春日和と呼ぶにふさわしい今日、松永家の3人と、健と真菜、そして詩春と梨生の7人は、少し離れた広い公園へピクニックにやって来ていた。提案したのは健で、そこに梨生が加わったのは、健が「梨生っちもどう?」と詩春に訊ねてきたからだった。もちろん、梨生は話をした途端に「行く!」と即答した。

 12時を回り、大きな木の下にシートを広げ、みんなが円状に座り、「いただきます」と手を合わせると、子供達は早速おにぎりに手を伸ばし始めた。

「茜、一つ食べ終わってから手ぇ伸ばせ!」
「茜ちゃん、ジュース零れちゃう!」

 政二の胡座の上にいる茜が、中身が入っているジュースをシートの上に置いて、両手におにぎりを持とうと身を乗り出した。シートの下は芝生なので、ちょっとした拍子にジュースを零しかねない。
 結局政二は茜のジュースを片手に持ち、もう片手でおにぎりを食べ始めるが、それではお茶が飲めない。それに気付いた詩春は、政二の口元に紙コップを持っていった。

「松永さん、どうぞ? 咽せちゃいます」
「あ、ありがとう」

 ゆっくり傾かせれば、こくん、と政二の喉が動く。それが終わると、詩春はお弁当の中の唐揚げやウィンナーを紙皿に取り分け、政二の手が届く所に置いた。
 茜の体が邪魔して、お弁当箱まで彼の手が届かないと思ったからだ。

「あと、何か食べたいものありますか?」
「ん、大丈夫。中村さんも食べて?」
「はい」

 そうして詩春は、ようやく自分もお弁当に手を付け始めた。その時、梨生がきょとんとした顔で詩春を見ているのに気付き、「どうかした、梨生?」と問いかけたけれど、彼女は「ううん」と微笑んで首を横に振るだけだった。

 和やかな昼食が終わり、子供達はすぐに動き始めた。今度はソリ遊びではなく、芝生と共に植えられた白詰草に目が行ったらしい。白詰草と言えば……。

「ね、詩春。花冠の作り方って覚えてる?」
「え? うん、覚えてるよ?」
「じゃ、作ろ! 子供達に」
「あ、俺も俺も~」
「え、健くんも作るの?」
「真菜のは俺が作るの!」

 立ち上がり、先に行く梨生と健の後を追おうとしたけれど、ここで政二が一人になってしまう事に気付いて、靴を履くのを躊躇った。大の大人なのだから、別に一人でいる事ぐらい平気だと思うけれど、……何となく、置いていってしまうような、そんな気分になって。
 そんな詩春に気付いたのか、政二の苦笑が耳に届いた。

「行って来ていいよ? ここでのんびりしてるから」
「……いいんですか?」
「大丈夫。楽しんでおいで」
「じゃあ、行ってきます」
「ん、行ってらっしゃい」
「詩春ー?」
「あ、今行くーっ」

 今度は躊躇なく靴を履いて、5人が固まって座る場所へと詩春は走り出した。




「こう?」
「そうそう、それから茎をくるっと巻き付けて……その繰り返し」

 1本ずつくるくると茎を巻き付けて、最後は巻き付けた茎に余った茎を差し込んで。そう多く咲いている訳ではないから、随分華奢な花冠になってしまった。

「はい、茜ちゃん、出来たよ?」
「あかね、おひめさまー?」
「そうだね、お姫様だね~」

 葵には梨生が、真菜には勿論健が作った物が被せられ、同じ作り方でブレスレットや指輪まで作り始める。
 詩春は梨生にも同じ物を作ろうと、白詰草と、今度はクローバーも少し入れた花冠を作り始めた。

「詩春ちん、それ誰の?」
「え、梨生にだけど……」

 後は余った茎を切れば良いだけになった時に聞かれてそう答えた途端、健と梨生の顔が不意に悪戯めいた。

「詩春、それ松永さんに被せてみたら?」
「えっ?」
「せーちゃん昼寝してるしっ、被せたって解らないって。起きた時どんな反応するか、面白そうじゃね?」
「お、面白そうって……」
「ほらほらっ、行ってきて」
「梨生まで……!」

 結局、無理矢理に立たされて、背中をドンッ、と押された。勢いのまま歩き出して、そっと靴を脱いで幹に寄りかかって眠る政二の横にちょこんと座る。

(お、起きないよね……?)

 いつも見ている寝顔にどことなく緊張しながら、そっと両手を伸ばし、花冠を……。
 ぱさっ、と軽い音がした瞬間、「ん……?」と政二の唇が動いた。どうやら浅い眠りだったらしく、微かな変化で起こしてしまったらしい。

「中村さん……? どうしたの?」
「あ、えと……っ。あの、健くんが松永さんにもって」
「……健が、何?」
「花冠……を……」
「花冠?」

 訝しげに頭の上に手を持っていく政二が、それに触れた瞬間、少し離れた場所から政二と詩春を見ていた健が「似合ってるぞー、せーちゃん!」と大笑いした。

「健っ! お前何てことさせるんだっ」
「やったの詩春ちんじゃんっ」
「唆したのはお前だろ!?」
「ご、ごめんなさいっ、悪戯が過ぎましたっ」
「いや、中村さんのせいじゃ────……。そっか」
「え?」
「中村さんの方が似合うよ」

 ぱさり、と白詰草の花冠が詩春の頭に被せられる。その行動は本当に一瞬で、詩春が自分の身に何が起こったのか理解したのは数秒後。

「ま、松永さんっ?」
「うん、可愛い」

 言われ慣れない言葉を真正面から微笑み付きで言われてしまって、詩春は照れたように笑う事しか出来なかった。

「あと、はいこれ。あげる」
「何ですか?」
「寝る前に見つけた」

 そう言って政二に差し出されたのは、自然界ではなかなか見つけるのが難しい、四つ葉のクローバーだった。

「えっ、松永さんが見つけたんですから、松永さんのですっ」
「いや、俺が持ってても仕方ないし。と言っても、中村さんも使い道ないか」
「いいえ。押し葉にして、栞ぐらいなら作れます、けど……貰っちゃって、良いんですか?」
「うん」

 ありがとうございます、と呟いた詩春は、荷物からスケジュール帳を取り出して、大切に挟み込む。久しぶりに四つ葉のクローバーを目にした事と、政二からそれを貰えた事がとても嬉しかった。

「……松永さん、四つ葉のクローバーの花言葉って知ってます?」

 戻ってきた梨生に問われた政二は、素直に「知らない」と告げる。詩春もそれは知らなかったので、梨生に視線で訊ねると。

「後で調べてみて下さいね?」

 と、はぐらかされてしまった。そして。
 家に戻ってから調べた四つ葉のクローバーの花言葉に、場所は違えど二人は赤面する事になった。

 「Be Mine(私を想ってください)」────。




※後書き 兼 斎さまへの私信

 遅くなってしまいました! ごめんなさい。
 無自覚でイチャイチャ……に、なってますかこれ(汗)しかも何か、無駄に長くなっちゃいましたし。

 それから、震災記事に対して、そしてご心配をいただき、本当にありがとうございました。かえってお気を遣わせてしまったかと思いますが、斎さまもご無事で良かったです。

 斎さまのみお持ち帰り可です。
 こんなSSで良ければどうぞ~。
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  • 2011.05/03 00:18分
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